村上シンジ 連続ブログ小説 「零」4
Posted joe :2012.01.24
午前1時。
そろそろ店を移動しようという流れになった。
サイフを取り出して、店員に値段を伺ったが、もうすでに支払いは済んでいると言う。
(そんな「花の慶次」のような粋な男っぷりを発揮した傾奇者は誰だ?)
なんとそれはチャドだった。
こちらが接待しているのに払わせてしまうとは、なんたる失態。
しかも仲間が十人以上集まって居たので、決して安くはないのにだ。
僕らは必死で食い下がったがチャドは受け取ろうとしない。
そして一言こう言った。
「楽しかったからいい。(英語)」
匂ってくるような男っぷりである。
「次会った時こそは俺に奢らせてくれ!」
そう約束して外にでた。
その後コンビニでファジコンのデザイナーのいっちゃんはエロ本を10冊ほど手当り次第に購入し、チャドに無言で手渡していた。
奴も粋な男だ。
傾奇者を通り越して大ふへん者だと思った。
※傾奇者や大ふへん者について詳しく知りたい人は「花の慶次」を読むべし。
そして、まだこれから皆で飲みに行くと言っていたのだが、流石にこれ以上はマズイ。
お酒も結構飲んだし、眠りの悪魔がハイスピードで近付いて来て居るのも分かっていたから。
チャドと再会を誓い、力強くハグをして家路を急いだ。
家についた時、時計の針はすでに2時をまわっていた。
本っ当にやばい。
今日のあの出来事が無かったなら絶対に覚えられなかっただろう。
あの出来事が…
続く。