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シンジvs火星2

Posted joe :2012.04.03

ジャムは髪の毛も上着も靴も緑色だった。


畑の横に居た割には随分派手な格好だなと思っていた。


しかし、その緑は光合成の為だと言うのだ。


なので、彼等は植物と同じように水と太陽のエネルギーだけで生きて居られるらしい。


髪の毛で足りない分は上着と靴で補い生きているのだ。


畑だと思っていた場所はジャムの花壇だった。



なので、彼等の運動能力は地球人に比べるととても低いのだと言う。



これは進化なのか、退化なのか。


確かにエコロジーではあると思うが、地球のこの時代で生きてきた僕にはとっては「少し物足りない生き方だな」と言う思いが湧いて来る。


もしかしたら地球に氷河期や巨大隕石の衝突などがなければ、僕らもそうなって居たのかも知れない。


長く太陽が出ない中でも他の生命体を食しエネルギーに変えて生きていけるように進化したのが地球の生物。


自分でエネルギーを作るのが面倒だから「誰かが作ったエネルギーをまるごといただいちゃおう」と言う理由もあるかも知れないが。



環境次第で生き方は全く違うものになるのだ。


だが、そこには文化があり、言葉があり、意思があった。


そして、僕の知らない幸せや、悲しみがあるのだろう。


とにかく、「世の中はメチャクチャ広い」と言う事だ。


途方もなく広く、深く、尊い。


結局色々考えてもなんも解決しないし、不思議すぎて、謎だらけだけど、自分がこんな面白い宇宙の一員なんだと思うと、嬉しくなった。



歩きながらそんな事を考えて居たら、ジャムが心配そうに声をかけて来た。


ジャム「どうしたんすか?大丈夫っすか?何考えてるんすか?」


僕「ん?いやいや、エッチな事とかはどうしてんのかなーと思ってね!」



ジャム「ケケケケ!」


ジャムは嬉しそうに笑った。


運動能力が低かろうが、繁殖能力が低かろうが、そこは万星共通で好きなのかも知れない。



続く。